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TAMASHA by Abhishek Khedekar
¥6,900
インド人アーティスト、アビシェーク・ラジャラム・ケーデカール(Abhishek Rajaram Khedekar)の作品集。第一回「Publishing Performance residency and book award」を受賞した作者は、彫刻、コラージュ、リアプロプリエーションを用いて、インドの農村の労働者たちの光景に感じる共感覚を捉えた。 実験的なドキュメンタリー/フィクションである本作の制作にあたり、1800年代にさかのぼる歴史を持つ、ダンス、音楽、ビジュアルアートを融合した民族舞踊「タマシャ(TAMASHA)」を演じる100人のダリット(不可触民)の「家族たち」からなる遊牧民の一座を追いかけた。独立後のインドで農村に伝わってきた舞踊や歌が廃れると同時に、タマシャもまた社会的な烙印を押され、二極化され、零落していった。マハーラーシュトラ州のあちこちを旅して制作された本作は、アーカイブ資料、コラージュ、ドキュメンタリー写真、パフォーマンス、サウンド、動画を用いた多種多様な芸術的手法を駆使して、インドの社会文化的構造の複雑さを深く掘り下げている。 実験的なビジュアルナラティブからなる作者のブリコラージュは、限られたもので何とかやっていく作者の舞台が成す飾らない姿勢を、歌、コミュニティ、表現のユニークな美学へと昇華させ、現代インドにおけるタマシャの伝統の位置づけを示している。 作者は、写真とパフォーマンスの接点に焦点を当てたアーティストレジデンシーおよび出版物に贈られる「パブリッシングパフォーマンス2022」の受賞者である。本作は、イタリアのスポレートにある「マーラー&ルウィットスタジオ(Mahler & LeWitt Studios)」でのアーティスト・イン・レジデンスにて、版元であるLoose Jointsが編集、デザイン、出版を手掛け、作品集として制作された。 published by LOOSE JOINTS
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PRABÉRIANS by Thomas Rousset
¥8,800
PRABÉRIANS by Thomas Rousset ローザンヌとパリを拠点に活動するフランス人フォトグラファー、 トマ・ルセ(Thomas Rousset)の作品集。本書は、作者が幼少期を過ごしたフランスとスイスの国境にある農村プラベールを舞台に、田舎暮らしの信仰的・儀式的側面を考察する。 作者は、12年以上にわたり実家がある村のあらゆるところを掘り下げて、そこに住む人々のシュールかつ愛情のこもったドキュメンタリー・フィクションを制作した。小農村落が時代に取り残される、または消滅の危機に瀕しているような中、作者はプラベールを幻想的で幻覚的な世界へと導き、親密なポートレートや村の日常生活の観察の中に、不条理の瞬間を創り出している。 プラベールの仲間たちとの共同制作活動において、作者は日々の農業生活の厳しい現実に対して、コミュニティを団結させ、結束させる農村に深く根付いた風変わりな伝統や、堂々と社会に沿わない部分に焦点を当て、制作に取り組んでいる。作者は、このような誇張されたシナリオを、印象的な風景や自然な描写のポートレートと混ぜ合わせ、土地と住民の中に閉じ込められた創造的な可能性や、仕事と遊び、厳粛さと喜びの間に垣間見られる「日々の踊り」の存在をほのめかしているのである。 published by LOOSE JOINTS